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change la vie , change le monde
明け方、DVDで 『プロジェクトA』 を観てそのまま外出。 夕方に図書館で仮眠を取って地下鉄で渋谷へ。 ユーロスペースでレイトショー。


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久方ぶりの映画館。

          
                  ~…~   ~…~   ~…~


地味で素敵なカメラワークが一変、主人公である初老の従軍記者が軍需工場で演説するシーンに泣いてしまう。

その前に、戦地から離れた後方部にて、戦意昂揚映画を撮る撮影所を訪れるシーンがあり、ゲルマンのドキュメンタリーチックな作風との対比をなしたりもしているが (そこに挿入される少佐の戦場の回想シーンもこれまた素敵)、演説のシーンに受けた衝撃は、そういった批判精神や労働者やファシズムなんていったイデオロギーから来るものでもなく、ワーグナーを大音量で流しながら空爆するルーカス大佐やノルマンディや硫黄島の人が無尽蔵に死んでいく上陸作戦のシーンに受けた黒いユーモア風の号泣ものの衝撃でもなく、もっと純粋な、クレショフやエイゼンシュタインといった単語が頭によぎる必要もないような、オブジェとしてのフィルムのコラージュ、モンタージュそのものの威力をまともに喰らってしまった結果の衝撃だった。

壇上で前に立たされるしがない初老の少佐、画面の奥まで見えなくなるほどの群衆、目を輝かせた男の子たち、頭巾を被った婆さん、ワイド画面の右側にやや仰角のバストアップで演説する少佐 (時々画面の左に掲げた右手がちらちらと映る)。 スクリーンの持つ魔力の強烈さ! 自意識の欠片もなく、ただただ無意味に涙が流れ出してしまった。



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プロフィール

オオツカ

Author:オオツカ
フーリエ主義の私立探偵。
東京を舞台に日夜事件を追跡中。

ある種のユートピアと化して、常にどこかで何かしら映画がかかっているという都市の状況に抗して。


日々の魔術の実践、あるいは独身者の身振りとしてのblog。



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